学ぶという事は、いかに自分は何も知らないかが見えてくる。
成長とは学びによって、今迄見えていなかったことが見え
過去の間違いが是正され、新しい行動が生まれること。
過去の慣習の延長線の未来は衰退に進む。
今回のコンテンツは長文です。
長文ですので読み辛いかもしれませんが、社長さんにとってなかなか聞けないとても重要で役に立つ話ですので、少なくとも3回以上は読み返してください。
このコンテンツの内容を社長さんが理解し習得すれば、社長さんの経営力は必ず向上します。
本日は、「スケジューリング」、スケジュールづくりについてお話しします。
「スケジュール」というものは、私たちの仕事にとってものすごく重要な要素です。
このスケジュールに載せないと、仕事でも人生のことでも、何でもスケジュールにないものは現実化しません。
物事はスケジュールに載って、初めて現実化するのです。
「スケジュールとは何ですか」
スケジュールとは、時間を管理するということです。
仕事も人生も、すべて時間で成り立っています。
ですから、私たちは、この「時間」をいかにうまくコントロールするかによって、成功と失敗の道が分かれていきます。
この時間の使い方によって、人生が成功するか否かが決まってしまいます。
そのぐらい重要な時間の使い方を、今日は解説していきます。
社長さんもスケジュール表は持っていますでしょう。
どんなものにスケジュールを載せ管理していますか。
手帳ですか。
それとか、携帯電話、スマートフォンといったITディバイスでスケジュール管理をしていますか。
いずれにせよ、たぶんそういう形でスケジュールを管理されていると思います。
では、そのスケジュールの管理の方法は何かというと、大半の社長さんは、出て来た目先の仕事をスケジュールに書き込み、そして、スケジュール表をいっぱいにしています。
新しい時代のスケジュール管理法
20世紀の恵まれていた時代というのは、ご案内のように、需要のほうが供給より勝っていました。
今は、需要減少で供給過多の状況です。
そして、なおかつ、日本には償却済の施設や設備がたくさんあって、もしこれが稼働し出したら、ものすごい供給量の生産ができるのです。
そのぐらい、現代のモノづくりというものは、潜在的に供給の力を持っている時代なのです。
ですから、これから未来永劫、私たちの世界において、モノが不足するということは、たぶん出て来ないと思います。
そのぐらい、モノが増えています。
ですから今後そうとう長い間デフレは続きます。
この20世紀から21世紀の新しい時代、モノの過剰供給になったこの時点で、私たちの人生においても、そして、仕事においても、すべてのカテゴリーにおいて考え方や、やり方の枠組みという、パラダイムが大きく変わってしまいました。
そして、現在。
時代の変化に鈍感な中小企業は、非常に厳しい状況にあります。
どんな状況かと言いますと、たぶん社長さんも、びっくりされると思います。
「会社標本調査」
国税庁は毎年「会社標本調査」と言う、日本の企業の税務申告を発表しています。
中小企業の2013年度の税務申告で、何割の会社が赤字で、何割の会社が黒字だと思いますか。
その数は想像を絶します。
80%ですか。
50%ですか。
40%ですか。
答えは、73%の会社が赤字です。
この73%は上場企業や大企業も含まれています。
資本金1000万円未満の中小零細だけで見ると、82%もの会社が赤字にあえぎ、倒産の危機にあります。
私の関係先の税理士さんなんかに話を聞いてみても、顧問先の80%近くは赤字だと言っています。
赤字ということは、営業収支、金融収支が「赤」なんです。
どうやってこれを埋めるのでしょうか。
普通に考えれば、営業収支が赤字とは、収入より支出が多いわけですから、お金が足りなくなり資金繰りが回らず会社はやっていけないはずです。
なぜ赤字企業が潰れないか?
では、なんで会社が潰れずに回っているかと言いますと、社長さんが経営で出した赤字は、銀行の借入で埋めているんです。
経営が赤字という事は簡単な話で、社長さんの経営のやり方が間違っているからです。
単純な原理原則も理解していないか、理解していても原則を守れないかのどちらかです。
商売とは原則を守れば儲かるようにできています。
例えば、5、000円で仕入れるか、5000円のコストで製造して、10,000円で販売すると粗利率が50%で5,000円の利益があるとします。
人件費や販売関連費の固定費を3、500円で賄えば1,500円の営業利益が出ます。
ごく当たり前のことですが、赤字の会社の社長さんは、どういう訳か人件費や販売関連費を5,500円使ってしまうんです。
なんで経費を3,500円で賄わないんですかと尋ねますと、あれも必要これも欲しいなどと、「ガキ」みたいなことを言っています。
何でこんなことになっているかと言いますと、過去からの慣習に縛られ無駄が見えなくなっているからです。
その間違った過去の執着のために、、こんなに時代が変わってもそれを感じることができないくらい鈍感になって、会社の方向を変えることができません。
このような社長さんは、常に目先的な売上や資金繰りで躍起になっているために、スケジュールは目先的な仕事でいっぱいになってしまいます。
仕事とは「5つの要素」で構成されています。
1.経営
経営とは将来のビジョンの構築や会社の文化、社員さんの 価値観、経営理念の浸透化、また将来の新商品や販売チャ ネルなどを考え計画したり、会社の仕組みや規定などの改 善を考えることです。
2.計画
計画とは経営計画を策定し目標を明確にし、達成のための 方法、達成のための実行計画、また必要経営資源の適切な 構成を行うことです
3.管理
管理とは、経営計画で策定した目標の管理、実行過程の経 過の管理、行動の結果である実績の管理を行ない、次の計 画の対策を立てることです。
4.指導
指導とは、社長及び上席者が部下に対して、目標の達成や 業務そして部下の成長をサポートすることです。
5.実行
実行とは、自分の責任と与えられた任務を確実にこなすこ とです。
この5つ、経営力、計画力、管理力、指導力、実行力が社長さんの会社にお
いて力を発揮し、実行されているでしょうか。
この5つの仕事の要素を見て社長さんは気が付くと思いますが、仕事とは長期的、中期的、短期的なものがあります。
赤字会社の社長さんは、「5、実践」と言う目先的な仕事にほとんどの時間
使っています。
そして、スケジュールを見ると、この「5、実践」と言う目先的なことでいっぱいのなっています。
この目先の仕事に社長さんが対応していたんでは、これからの経営はうまくいかなくなります。
重要なのは、「未来」です。
未来と言っても、10年、20年先でなくてもいいです。
1年先、3年先という未来のわが社をどうしたいのか。
そのために、今、何をしなければならないのか。
社長さんの仕事とは、「1、経営」「2、計画」「3、管理」の仕事がスケジュールに50%は入っていなければ、これからの厳しい時代で経営はやっていけません。
未来の目標から課題を導き出した仕事をすることが大切です。
社長さんの仕事の正しい時間配分
社長さん、上場企業や大企業には3年先、5年先の予測や計画を策定の仕事をしている部門や人がいます。
ですから会社が、どの方向へ進もうとしているかの道筋が見えています。
中小企業では、将来のことを考える部門や人などはまずいません。
もし社員さんが机に座ってそんなことをしていては、社長さんは余計なことをしないで、とっとと営業しろ。と怒鳴るのではないでしょうか。
中小企業の仕事とは、常に目先の成果に向かって汗を流すことが最優先であり、それが全てです。
20世紀の恵まれていた経営環境の時代であれば、目先的な成果を求める仕事だけでもなんとかなりました。
ですから、中小企業の経営は、「根性や努力などでやり抜こう」といった、実行力だけが重視されていました。
しかしこれからの時代、単に実行力が強いだけではだめです。
会社がどこに向かうのかと言う明確なビジョン(将来の展望)がなければ、社員さんにも、客さんにも選ばれない見向きもされない会社になってしまいます。
社長さん、「経営、計画」という仕事に時間を割いてください。
これからの中小企業の社長さんの仕事に割り当てる時間を、下記のようにしていかないと会社は傾きます。
1、経営に20%
2、計画に30%
3、管理に10%
4、指導に10%
5、実践に30%
社長さん、目先的な実践と言う仕事だけで、スケジュール表がいっぱいになっていませんか。
1年先、3年先の目標を設定する、そして未来の目標からやるべき課題を導き出してくる。
この未来からの課題をこなす仕事が20%、目先的な実践などの仕事を30%、後の計画、管理、指導で50%、こういう時間比率で仕事の進めなければ、これからの変化に激しい時代では生き残れません。
ですからスケジュールも、このような時間管理ができるようにしないと駄目です。
目標をつくると、その目標から「やるべき仕事」が出て来ます。
これを、私は、「未来課題挑戦志向」と呼んでいます。
未来から出て来る課題を、一つ一つ達成していくのです。
この一つ一つが、大きな目標に対する小さな目標で、これを達成したということは、大きな目標へ到達するための通過点を通ったことになります。
この通過点を、私は「成功のマイルストーン」と言っています。
新しいスケジュールの作り方
1年先、3年先にとって重要な仕事は、事前にスケジュール表に時間を取ることが大切です。
事前にスケジュールに入れなければ、どうしても目先的なことで時間を取られてしまいます。
中小企業のほとんどの社長さんは、スケジュールを目先的に出てきたことを管理するだけの、一元管理しかしていません。
スケジュールは4次元管理をしてください。
今迄の目先的なスケジュール管理しかしていない社長さんにとっては、ちょっと戸惑うかもしれませんが、未来の求める姿の達成のために今やるべき課題をこなすには、この4次元のスケジュール管理がどうしても必要になります。
スケジュールは4次元管理
1、年間計画表
2、3ヶ月リードタイム計画表
3、ウイークリースケジュール
4、1日の時間割スケジュール
スケジュールは4次元管理の第1は年間計画表です。
1年のカレンダーを作り、年間で決まっている行事や催事、社員さんや関係者の誕生日や記念日、また私的なこと家族のことなどの計画を作ってください。
次に1か月のスケジュール表を当月、翌月、翌々月の3か月分を作ります。
このスケジュール表は、常に所持してください。
ここに「将来にとって重要な仕事」を当月、1ヶ月先、2ヶ月先、のスケジュール表に事前に考えて入れてしまうのです。
そして、年間スケジュール表からその月の「年間で決まっている行事や催事、社員さんや関係者の誕生日や記念日、また私的なこと家族のことなどの計画」をスケジュール表に書きいれます。
年間のスケジュール表を作っていても、変更等が出てくると思いますのでそこは調整して入れてください。
次に現時点でアポイントなどがある当面の仕事を、月間スケジュール表に書き入れると、年間と月間リードタイムと当面のアポイントの3つの要素で構成した月間のスケジュールが出来上がります。
年間、月間リードタイムスケジュールの次は、ウイークリースケジュール表です。
毎週月曜日の朝(もしくは日曜日の夜)に、月間スケジュール表をもとに、ウイークリースケジュール表を作ります。
日々業務の中で目先的なことが出てきますが、ウイークリースケジュール表と月間スケジュール表の空き時間にそれらは埋めていってください。
この3つのスケジュール表をきちんと持ったうえで、次に、社員さんに任せてもいいような仕事を、社長さんはきちんと振り分けてください。
目先の重要な仕事だと思ってやっていても、実は重要ではないものがものすごくあるのです。
ですから、この「目先の仕事」の重要なものと重要でないものをきちんと振り分けると、余裕の時間を作ることができます。
無理しても作ってください。そしてこの余裕の時間は、勉強に充てるのです。
最近言われていることは、「今の知識は、4年後には全く通用しない」ということです。
ですから、今の知識のままで4年後も経営していると、社長さん、その会社はどうなると思いますか。
まず、立ち行かなくなります。
そのぐらい、今、時間の流れが速くなっています。
社長さん,社員さんでは2年先、3年先の仕事ができません。
今、中小企業は非常に景気が悪いと言いながら、大企業や上場企業は、すごくいい業績を上げています。
大企業というのは、3年先、5年先の商品開発、市場開発、経営戦略、そういったものがきちんと立てられるようなセクションと人間がいて、常に未来のことを考えて、その未来からやるべきことを持ってくるという、そういう仕事を計画にのっとって進めています。
中小企業は、社長さんはじめ、社員さんは目先の仕事をあたふたとやっているばかりです。
これでは、うまくいきいません。
ですから、社長さんは頭を切り替えて、年間、月間先行3か月のスケジュールで長期的に重要な仕事を管理し取り組んでください。
これを明日から始めてください。
そして、その日のやるべきことと行動スケジュールを毎朝作って、充実の日々を送れるようにしてください。
学ぶという事は、いかに自分は何も知らないかが見えてくる。
成長とは学びによって、今迄見えていなかったことが見え
過去の間違いが是正され、新しい行動が生まれること。
過去の慣習の延長線の未来は衰退に進む
今社長さんが貴重な時間を割いて読んでいただいたこのスケジュール管理も、大きな学びです。
ですから、何かを感じ今まで見えなかったことが見えてくるんです。
新しい経営とは、学びによって見えてくる新しい行動をとることです。
社長さんの進化成長と、御社のご発展をお祈りしています。