心の豊かさに光が当たる時代です
今日のテーマ
心 の 時 代
このコラムは2009年に配信したメルマガです。
過去を振り返りながら、中小企業経営の経営環境のトレンドを感じ、新しい経営の参考にしようと考えました。
今後、過去のコラムも、少しずつはさんでいきたいと思います。
社長さんも是非、過去を振り返り歩んできた経営の道を、思い返してみてください。
歩んできたその道は、辛く厳しかったこともあるでしょう。
もちろん社員さんと共に楽しかったことや、感動もたくさんあるんではないでしょうか。
私たちは、未来に夢と希望が溢れる目標を持つことが、仕事でも、人生でも成功に必要な絶対条件です。
その目標へ向かい、日々充実の1日を過ごすときに振り返る道は、どんな道であっても幸せな道だった感じてください。
幸せは未来にあるものではありません。未来には夢と希望の道があります。
そして振り返ったときに、過去から幸せの道が続いてくるんです。
過去は変えられます。
どんな過去でも、未来に夢と希望を持ったとき、
その道は幸せの道に変わります。
2009年12月のコラム
朝晩の寒さが厳しくなってきました。
もう12月、師走の行事などもちらほら開かれ始めています。
私のジョギングコースの公園の池が、今年初めて凍っていました。
これからの季節、朝の凍て付く暗い中のジョギング、ちょっと辛い気も起きますが、走り出した爽快感の中で幸せを感じ、走り終わったときの心の充実感は最高です。
そんな時、本当に自然に感謝し、健康な自分に感謝し、支えてくれる奥さんに感謝し、私を癒してくれる「猫ちゃん」にも感謝し、心の中が全ての人やものへの感謝でいっぱいになります。
目が開かなかった野良ちゃんの子猫も、結局家族の一員です。
悪かった目もこんなにかわいらしくパッチリとなりました。
「ありがとう」
感謝で心がいっぱいになると、自然と「ありがとう」の気持ちになれるものです。
もうTVを見るくらいに成長しました。
「ありがとう」とは、「ありがたいこと」への感謝の表現です。
何事にも「ありがたいこと」と思う心、
たぶんそれが「豊かな心」なのではないでしょうか。
これからの時代は「心の時代」といわれています。
経済のパイが大きくなりません。
確実に縮小均衡に向かっています。
今までのように、他人や他社と戦い、相手を蹴落としても勝ち進み、量の拡大を目指すような生き方や経営では、やっていけない時代がきています。
「勝ち組」「負け組み」という分け方がありましたが、この発想は常に他人を打ち負かし自分が最高の位置にいるということです。
常に最高を維持しようとすれば、無理を重ねます。
無理は永久には重ね続けられません。
いつか破綻します。
自分が幸せと感じるレベルや、会社の適正規模を低くしてください。
そうすると無理が無くなります。
追いかけず追いかけられない経営や行き方は「心が豊か」になります。
会社を無理してでも大きくすることや、自分は最高の物を手にするんだと「勝ち組」を狙い、いつも少し足りない思いでいると、社会や他人への愚痴や不平不満となって、自分自身で「心貧しい」不幸の道を歩むことになる時代です。
不平不満ばかりが口から出る「不足の心」から「足るを知る心」にな
らなければ、リスクと不幸がついてくる時代です。
モノを売ることも同じです。
営業マンを無理に増員し、地獄の特訓みたいな研修をさせたり、販売のクロージング技術を教え込んだりしても、売れない時代なんです。
お客さんは営業マンに
「あなたは地獄の特訓を受けて偉いからあなたから買います」
とは絶対に言いません。
お客さんは営業マンに
「あなたはクロージング技術があるからあなたから買います」
とは絶対に言いません。
お客さんに喜んでもらい、お客さんのためになることも考えないで自分勝手の都合ばかり出して売上を伸ばしたいといっても、だめな時代なんです。
心の時代の商売とは
社長さんも従業員さんも、働く人たちみんなが「豊かな心」で、お客さんの喜ぶことや、お客さんのためになることをトコトン考えることです。
そして、その思いをお客さんに一生懸命に伝えることです。
会社の人たちも全員が、感動や感激、感謝を共感し共有するような職場にならなければ、お客さんに心が伝わらない時代になったんです。
それがこれから来る「心の時代」なんです。
11月の続きの世界経済と消費の変化の解説です。
世界中は、ドルの価値が半分になることを視野に入れています。
日本では、1ドル50円がここ数年来にくるとの予測で自動車などの輸出企業は経営計画をシミュレーションしています。
ドルの下落が止まりません。
アメリカは対外国に対して、膨大な債務国です。
債務というのは借金です。
本来借金というのは、収益が上がらなければ返済できません。
今後ともアメリカは貿易で利益を上げることは出来ないと思われます。
国内でも信用収縮、資産下落で消費が減少し、銀行がつぶれたり、大企業が破綻したりと散々です。
国際収支も赤字が続きます。
国内も景気悪化のため税収は著しく落ち込んでいます。
政府はお金が無いと金融機関の破綻も、景気の悪化も改善できません。
手詰まりの状況下で出来ることは、今の苦しみを先の延ばすために借金を上積みするしかありません。
方法は2つです。
国債を発行して外国に買ってもらうか
ドルをバンバン刷るかです。
アメリカはこの2つの禁じ手で、目先を乗り切ろうとしています。
危険です。
経済が奇跡を呼んで急激に回復でもすれば別ですが、こんなことを続けていれば近い将来ドルの価値は急激に減少するでしょう。
ドルが、世界の通貨に対し、半分になれば、借金も半分に減るということです。
アメリカの経済において、それ以上最悪のシナリオも存在しますが、
ドル半値がソフトランディングとなるのではないでしょうか。
そして世界経済は、そのことを見通ししています。
アメリカの消費は輸入に頼っています。
ドル安は超インフレを招きますので物価は高騰します。
今までのように借金やローンで、楽しみや快楽の先取り的な湯水のごとくの消費生活は、出来るはずはありません。
アメリカの国内消費は必然的に収縮して、縮小均衡へ向かいます。
アメリカ国民は生活のレベルを落とし、
「ものを持つ、消費するの豊かさ」
から
「心の豊かさ」へ生活態度を変化させます。
「ものの豊かさ」はお金が無ければ体感できませんが、「心の豊かさ」は、お金ではありません。
必要な分のお金があれば、「豊かな心」には誰でもなれます。
今までの世界経済は、アメリカがモノを買ってくれていたから成り立っていました。
このアメリカがモノを買わなくなれば、その分だけ経済は収縮します。
ですから日本だけが景気が悪いわけではなく、世界が縮小均衡の経済へ向かっているんです。
縮小均衡の経済でも、私たちは十分幸せになれます。
縮小均衡の経済でも、ものは十分あります。
幸せや満足を感じる心の度合いを下げれば、豊かな心でいられます。
心が豊かであれば幸せになれる時代です。
「ドルキャリートレード」という中小企業の社長さんには、聞きなれない言葉があります。
中国やシンガポールなど東南アジアで、株式の高騰や不動産が高騰しています。
また、資源や原材料も高騰しています。
景気が持ち直してきている、という論評も一部にありますがまったく意味合いが違います。
これは「ドルキャリートレード」のバブル現象に過ぎません。
日本の例でも分かりますが、バブルは実体経済を伴っていません。バブル崩壊後の経済的混乱は、バブル発生以前よりひどいことがこれを物語っています。
アメリカは金融機関や大企業を助けるためドルを大量に供給しています。
金融機関や大企業は、金利が高ければその資金を利用できません。
ドルは現在実質的に金利ゼロです。
金融機関やファンドがこの金利ゼロのドルを調達して、高金利の通貨や証券や不動産また資源への投資をしています。
そして彼らはドルの下落も視野に入れ、返済時は安くなったドルを買い戻し、返済ることで為替差益も見通しています。
これが、「ドルキャリートレード」です。
またもやマネーゲームです。
バブルは必ず崩壊します。
株でも債券でも資源でも高値で買った人が必ずいます。その人は大損をするでしょう。
それがアメリカの金融機関だったら、アメリカ政府はまた助けるのでしょうか。
そんなことは、いくらアメリカでも許されるものでは無いでしょう。
金融や投資のビジネスは一種の博打です。
マネーゲームは実体経済が伴わない不毛の経済活動です。
金融や投資のビジネスには、裾野がありません。
人々がモノを作ったり、物を売ったりする仕事が創造され、みんながその仕事に従事することで、生活の基盤を確保すると言う、人の営みがあ
りせん。
ごくごく一部の人間が膨大な資金であぶく銭を得ようと修羅鬼畜のごとく跋扈している世界で、もう殆ど罪悪としか言いようはありません。
ものの時代ではなく、心の時代がきます。
今、アメリカを中心とした世界経済の状況とこれからの世界を、ドルという貨幣を切り口に解説しました。
時代を予測する切り口はいろいろとありますが、これからの時代は間違いなく、縮小均衡の時代です。
ものの時代ではなく、心の時代がきます。
この時代は景気が後退し、需要が減少するから悪い時代なのでしょうか。
経済が縮小均衡して、売る上げが伸びなくても幸せは逃げません。
これからの時代の商売は、本当に喜んで買っていただけるお客さんの数だけの売上が、適正売上です。
そして、喜んでくれるお客さんが増えた分が売上の拡大になりま。
社長さんが従業員さんに感謝し、従業員さんは会社に感謝し、会社はお客さんに感謝する。感謝と思いやりと「ありがたい」と思う気持ちでみんなに「ありがとう」の輪が広がる。
そんな当たり前の心の豊かさに光が当たる時代です。
間違いなくいい時代になります。
感謝し、思いやりを持ち、愛を満たし、そして心豊かに足るを知る社長さんの会社には必ず光が当たります。
社長さんも時代の変化を感じ取って、
光の当たる会社になることをお祈りしています。